わが立つそま

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美しい言葉だなと思った。

とても素敵な表現であり、

素敵な意味を持っている。


美術家の篠田桃紅さんの本を読むと、

「わが立つそま」のことが書かれている。

我が立つ杣(そま)とは、自分が立ちうる場所。

杣(そま)とは、

滑り落ちそうな山の斜面にある、

ほんの少し平らになっている場所のことで、

修行僧や登山者が、ほんのひととき

安心して休めるところという。


杣を人生になぞって、

自分の立ちうる場所はどこにでも

あるわけではなく、

だからこそ、やっと見つけたときは

感謝の気持ちになる、ということだった。


我が立つそま。

物心ついたときから

私は自分のそまを探していたように思う。

そのころの年賀状にはよく、

”お互い幸せになりましょう”

とかなんとか書いていた。

今にして思うと、若いのに変なの。

である。

正月からこんな年賀状もらった人は

さぞかし奇異に思ったことだろう。

なんか漠然としているし。

でもいい加減ではなかった。

気持ちのどこかが欲していたのだと思う。


我が立つそまは

安住の地でも、

終のすみかでもない。

ただいっときの安らぐ場所。

長い歩みの途中で

ほっとできるところ。

一里塚の方が近いかもしれない。


私の”我が立つそま”はまだ

見つかっていない。

でも見つかったときは

きっと一生の宝にしたいくらい、

ありがたいなぁと思います。








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by kuroshiro_neko | 2016-04-14 23:45 | エッセイ

シロクロの絵とエッセイなど書いています。ブログ内で「アカリノムコウへ展」不定期開催中です。いつかギャラリーでも個展を開いてみたいてすね。
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