つたない文章

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卒業の季節はもう終わったけれど、

文章を読んだり考えていると

いつしかの卒業文集を思い出す。


自分は何を書いたのか、さっぱり忘れたが

たぶんつまらないことだ。

フツウに書くような修学旅行の思い出

とか何とかであろう。

唯一覚えていることは、

終わりの一文の最後、

「・・・楽しかったです。」を書き間違えて、

「・・・楽しです。」

と修正されずに載せられてしまったことだ。

そんなもんである。


卒業文集なんて

読んでいて、たいして面白くもない

内容なんじゃなかろうか。

みんなだいたいは、私のように

修学旅行の思い出とか、

部活で頑張った話とか、

せいぜい将来の夢の話とか、

少なくとも私たちの頃はそんなことぐらい

しか書くことがなかった。


そうなのだ、書くことがなかったのである。

何とか無難な、大人たちが喜ぶ内容で

マスを埋めることに必死だったはずである。

だからつまらない文章なのは仕方ない。


だが、その卒業文集の中で、

ひとつだけ覚えている文章がある。

同級生の男の子の文で、

内容はやっぱり忘れてしまったが、たぶん、

授業がついていけなくて辛かった、

とか宿題が大変だった、とか

良くない思い出を述べていたと思うが、

最後にこう書いていた。


「だけど、こんな毎日がもうできなくなると思うと

さびしくなる。」


となりには、宿題やら勉強に追われて

もうダメだ〜となっている自分のマンガの絵が

描かれていた。(目が×になってる。)

なんかつたない子供っぽい文章で、

ですます調ではなく、粗野な言葉だけど、

じーんときてしまう。

読んだ時これが本当の卒業文集だと

思ったのだった。


私たちはうまく書こうとするばっかりで、

本当の気持ちを書いてなかったんだね。

文章は難しく書くほうが書きやすい

ということがあるけれど、

つたない文章の方が人に伝わるんだ、

と感じたのだった。


書いた男の子の性格もあるけれど、

こんな文章が書けたらいいなぁと

思うのである。









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by kuroshiro_neko | 2016-04-16 22:12 | エッセイ

シロクロの絵とエッセイなど書いています。ブログ内で「アカリノムコウへ展」不定期開催中です。いつかギャラリーでも個展を開いてみたいてすね。
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